金融用語解説集

M&A




「Mergers(合併)andAcquisitions(買収)」の略です。M&Aの意味は、文字通り「企業の合併・買収」のことで、2つ以上の会社がひとつになったり(合併)、ある会社が他の会社を買ったりすること(買収)です。つまり、企業または事業の全部または一部の移転を伴う取引を指し、一般的には「会社もしくは経営権の取得」を意味します。M&Aと聞くと、以前は外資系企業が会社を乗っ取るイメージもありましたが、近年は企業の成長戦略の手段としての意味合いが強くなってきています。

日本国内の企業も積極的にM&Aを活用しています。

M&Aは事業譲渡、株式譲渡、会社分割、資本・業務提携の4つの種類に分類することができます。M&Aの実施件数は年々増加中です。幅広い業種で経営課題を抱える企業が存在するため、今後もM&Aの実施件数は増加すると言われています。

M&Aには買い手側、売り手側のメリット、デメリットが両方存在します。

M&Aの買い手側のメリット

M&Aによって譲受企業は、生産の効率化や競争力強化、シナジー効果(単純な足し算にとどまらない多くの効果を得られる可能性があること)による経営の効率化、時間の短縮などのさまざまなメリットを得られます。また譲り受けることで、今まで注力できなかった分野や、新たな技術、人材などを他社から譲り受け、生産体制を強化し収益性を高めることが可能となります。

M&Aの買い手側のデメリット

M&Aを行う譲受企業のデメリットには、優秀な人材が流出してしまうこと、資金調達が必要であることで計画的に進まないケースもあります。また、文化や人材の融合が上手く進まなかった場合や社内システムや人事制度の融合が不適切な場合 M&A前に想定していたシナジー効果を発揮できない場合があります。

M&Aの売り手側のメリット

譲渡企業のメリットには、事業承継問題の解決や経営者利益の最大化、企業の存続と発展により雇用が継続されるため、退職金を支払う必要もなくなり、清算に比べて支出も抑えられるなどが挙げられます。

M&Aの売り手側のデメリット

譲渡所得にに20.315%の税金が課されること、譲渡先を探すのに時間がかかること、M&Aによって企業のオーナーや、経営方針が変わることによる取引先の減少やトラブルが生じる可能性があることが挙げられる。 M&Aを成功させるためには、良い面だけでなくデメリットについても把握することが大切です。




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